時効における期間の計算
時効制度では、期間の経過が重要な事実となりますが、この期間の計算方法についても、民法で定められています。
時、分、秒による時間によって期間を定めたときは、その定められた時から期間を起算します(民法139条)。
これに対して、日、週、月又は年によって期間を定めた場合、期間の初日は算入せずに、翌日からの日数、週数、月数、年数によって期間を計算します(初日不算入の原則)。ただし、その期間が午前0時から開始するときは、初日も算入されます(民法140条)。
時効の場合、その事実状態がちょうど午前0時から開始したというような例外的なケースでない限り、初日は期間に算入しないこととなります。
裁判例では、不法行為による損害賠償請求の消滅時効期間の計算についても、被害者が損害および加害者を知った時が午前0時でない限り、初日は算入しないとしたものがあります(最高裁昭和57年10月19日判決)。
期間が終了するのは、期間の末日が終了した時点です(民法141条)。
ただし、期間の末日が日曜日、国民の祝日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間はその翌日に満了するとされています(民法142条)。
これに関する裁判例として、元利金の分割払の返済期日が「毎月X日」と定められた場合、X日が日曜日その他一般の休日に当たるときは、特段の事情がない限り、その翌日の営業日を返済期日とする旨の目次の合意があったと推認される、としたものがあります(最高裁平成11年3月11日判決)。
週、月、年によって期間を定めた場合で、週、月、年の初めから、期間を起算しないときは、最後の週、月または年において起算日に応答する日の前日が終了する時点で期間が終了します(民法143条2項)。
ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応答する日がないときは、その月の末日に満了します(民法143条2項但書)。例えば、起算日との関係で、本来の応答する日が2月の29日となったり、4月の31日となるような場合、それぞれ月の末日である2月28日、4月30日に期間が満了することになります。
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