遺産分割における各相続人の取得額と分割方法

遺産の範囲・評価について合意に達し、特別受益や寄与分についても合意に達した場合、遺産の評価額に特別受益を加算したり寄与分を控除したりしたうえで、各相続人の相続分を乗じて取得額を計算します。

そして、各相続人の取得額に基づいて、実際にどの遺産を誰が取得するかについて協議することとなります。

分割の仕方としては、現物分割(その物をそのまま分ける)、代償分割(その物をそのまま分けるが、差額を金銭で調整する)、換価分割(売却して金銭を分配する)などの方法があります。


当事者間で、遺産の範囲と評価、特別受益・寄与分の有無と金額、具体的な各人の取得額と分割方法について合意に達すれば、遺産分割協議が成立したことになります。

この場合、預貯金に関する金融機関の手続や、不動産に関する法務局の手続のため、また、後日の確認等に備えて、「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が自署し、実印による押印と印鑑証明書の添付をしておくことが多く行われています。

遺産の範囲や評価、特別受益や寄与分の有無について争いがないとしても、複数の相続人が特定の不動産を取得することを強く希望して譲らないような場合、当事者間で遺産分割の合意に達することが難しいことになります。

このような場合、家庭裁判所の調停を申し立てる、あるいは申立をされることについて考える必要があるでしょう。

ひいらぎ法律事務所

弁護士 渡辺 慎太郎 (福島県弁護士会所属) 福島市にある法律事務所です TEL.024-572-6173 FAX.024-572-6175