契約の分類

これまで様々な契約をみてきましたが、契約の分類として、「双務契約/片務契約」と、「有償契約/無償契約」があります。

双務契約/片務契約

売買、賃貸借、請負のように、当事者双方がお互いに対価的関係にある債務を負担する契約を双務契約(そうむけいやく)といいます。

これに対して、贈与のように一方当事者のみが債務を負担するものや、使用貸借のように当事者双方の債務が対価的関係にないものは、片務契約(へんむけいやく)といいます。

有償契約/無償契約

売買、賃貸借、請負のように、当事者双方がお互いに対価的意味を有する給付を行う契約を有償契約(ゆうしょうけいやく)といいます。

これに対して、贈与のように、一方は対価を給付しないものを無償契約(むしょうけいやく)といいます。


双務契約/片務契約の分類と、有償契約/無償契約の分類は非常に似ていますが、双務契約/片務契約の分類は、お互いに債務を負担するかどうか自体に着目しているのに対して、有償契約/無償契約は契約の中に対価性を有する部分があるか、という点に着目しているものと考えられます。

このことから、民法上、有償契約については、売買契約における規定が準用されると定められており(民法559条)、特に、売主の契約不適合責任・担保責任の規定(民法561条~566条)が準用されることになることが重要です。

また、双務契約については、当事者の双方がお互いに債務を負担するため、相手の債務の履行があるまでは自分の債務の履行を拒むことができるか(同時履行の抗弁権の問題)、また、片方の債務が債務者の落ち度なしに履行できなくなった場合に、なおもう一方の債務が存続するか(危険負担の問題)、さらには、契約そのものをなかったことにして自分の相手に対する債務を履行しないことにできるか(契約解除の問題)が問題となります。

ひいらぎ法律事務所

弁護士 渡辺 慎太郎 (福島県弁護士会所属) 福島市にある法律事務所です TEL.024-572-6173 FAX.024-572-6175