調停手続の概要

弁護士が紛争解決を目指すために用いる代表的な手続きは「訴訟」ですが、もう1つ、弁護士がよく用いる手続きに、裁判所で行われる「調停」がありますので、こちらについても大まかにご説明します。

調停の仕組み

調停は、裁判所の調停委員会が申立人と相手方との間に入り、双方の話を交互に聞きながら話し合いを進めます。

話し合いがまとまった場合、裁判所が、合意した内容を「調停調書」にまとめて、手続きが終了します。

話し合いがまとまらない場合、調停は打ち切り(不成立)となります。

大切なことは、自分がどうしたいか

調停においてまず大切なことは、自分がどうしたいのかです。言い換えれば、自分がどこまでなら譲歩して解決できるのかということです。

当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、ここが意外と重要です。

調停は、どちらが正しいかを決める場ではありませんし、どちらかが「間違っている」という前提で進むこともありません。自分が間違っているという前提で折り合う人はいないので、どちらの言うことも少なくとも「間違っていない」という前提で双方が折り合える地点を探すものと理解していただいた方が良いと思います。

ですから、「私は正しい」「相手が間違っている」と主張するよりも、自分ががどうしたいのか、自分がどこまでなら譲歩して解決できるのかを考える必要があります。


次に、相手が提案を受け入れてくれるか

次に大切なのは、自分の希望を相手が受け入れてくれるかどうかです。

自分の希望を相手が受け入れてくれないとすれば、自分が妥協するか、あるいは訴訟を提起して解決を図るかを選択せざるを得ないことになります。


訴訟に移るかどうかの判断

調停で大切なのは、訴訟で裁判所の判断をもらった方がよいか、調停で話し合いを成立させた方が良いかの判断です。この時、適切に判断するためには、訴訟でどのような判決がなされるかの見込みが重要になります。


調停

・話し合いであり、お互いが納得した条件で決まる

・お互いが納得しなければ、いつまでも決まらない

・当事者がどうしたいのかが重要

    ⇕

訴訟

・お互いが納得しなくとも、資料(証拠)が揃えば裁判所が客観的に判断する

・裁判所の判断が納得できるものであるとは限らない

・どのような資料(証拠)があるかが重要


弁護士の意見を参考にしながら、自分が納得した上で、調停で解決を図るか、訴訟を提起して解決を図るかの判断をすることが有益だと思います。

ひいらぎ法律事務所

弁護士 渡辺 慎太郎 (福島県弁護士会所属) 福島市にある法律事務所です TEL.024-572-6173 FAX.024-572-6175